店では自分で選んだジャズ25曲ほどを1セットにして計4セット作り、日替わりでBGMとして流しています。

そこにエリック・クラプトンのアコースティック・ライブ・アルバム「アンプラグト」の収録曲を各セット1曲ずつ加えているんですが、これがまた異ジャンルながらほんとに違和感なくリラックスでき、窓からの景色やおそばにもよく合っています。

そのエリック・クラプトンの来日公演があり、しかも公演時点で80歳になっている、と聴いて「今回聴きに行っとかなければ生で聴くチャンスがなくなるかも?」と思い、チケットを入手。先日東京まで出かけてきました。

せっかくの東京行きなので2泊3日の日程とし、前から行きたかったそば屋さんにも伺い、鎌倉にも足を伸ばしてきました。

さて羽田に着いて真っ先に向かったのは、京急大森町駅近くの蕎麦やもりいろさん。駅近くというか、駅前と行ってもいい立地ながら、緑を取り入れた落ち着いた佇まいです。

いただいたのは「2食もり」。1枚目は写真の茨城県笠間産の細切りのおそば。食べてすぐ香りが口に広がります。あまりに美味しかったので2枚目のそばの写真を撮るのを忘れてしまいましたが、2枚目は山形県越沢産の粗挽きで笠間産よりやや太目。こちらは後から味と香りがじわりと伝わってくるタイプでした。お店の方に伺うと越沢に伝わる三角そばという在来種だそうです。

基本のおそばのレベルが高いだけでなく、天ぷらや一品料理、ユニークな季節のおそばもいろいろあり、夜ゆっくりとおじゃましたい感じです。接客も丁寧で、ワインを飲んでいるお客さんもいました。さすがミシュランガイド掲載店という感じでした。

お腹が満たされたところで一路鎌倉へ。鶴岡八幡宮や鎌倉大仏、長谷寺、建長寺、円覚寺などを散策しました。

鶴岡八幡宮
頼朝の墓
頼朝が鶴岡八幡宮に社殿を移す前からあった元八幡
鎌倉と言えば大仏
江ノ電にも乗りました
建長寺の山門
円覚寺の庭園

鎌倉で美味しいそば屋さんは?と探していたらいい店を見つけました。

東京の名店で長年修業されたご主人が大正時代の邸宅を改装されて昨年開かれた鎌倉北橋さん。鎌倉大仏のすぐ近くの奥まった場所に佇んでいます。

期待が高まる佇まい
もり食べ比べ(二産地)

こちらでも「もり食べ比べ(二産地)」を注文しました。

栃木県益子産の細切りと千葉県成田産の粗挽き十割。どちらも香りがよくおいしいおそばでした。店内には玄蕎麦の殻を剥く製粉室と石臼を備えた打ち場があり、蕎麦へのこだわりが伺えます。

前菜や天ぷらなどとそばがセットになった会席も数種類あり、そば屋らしい一品料理や日本酒、ワインなどの飲物も充実していました。接客も丁寧です。

他のお客さんはゆっくりとワインやそば会席を楽しんでおられましたが、私たち夫婦はそばだけを堪能させていただいて店を後にしました。次に伺ったときは予約の取れない名店になっているのでは?と思います(^^)

さて鎌倉を後にし東京に戻ります。19時からのライブを前に、まずは日本橋の浜町かねこさんでお腹を満たします。

こちらのお店は2度ほどおじゃましたことがある神楽坂の蕎楽亭さんで10年修行されたご主人が10年前に開店されたお店。でもとても若くてイケメンのご主人でした。

カウンターの真ん中でご主人が黙々と天ぷらを揚げておられるのは蕎楽亭さんと同じ。まずは福島のお酒とだし巻き卵、肉豆腐を注文しました。

そして天ぷら。ご主人が目の前で揚げた揚げたてを提供してもらえます。

そばは蕎楽亭さんを踏襲し、そばと冷や麦、そばとうどんの合い盛りも選べます。

昼食が上品に盛られたおそばだけで鎌倉を歩き回った後だったのでクタクタに疲れていましたが、美味しいお酒とそば、料理、丁寧な接客で疲れがスーッと消えました(^^)

そしてついにエリック・クラプトン来日公演です。席は端ながら1階アリーナの前から3列目という特等席でステージもよく見えます。19時を少し過ぎてクラプトンはじめメンバーがステージに現れ、いきなりクリーム時代のホワイトルームで幕開けです。エレクトリック・セットからアコースティック・セットに移り、最後はまたエレクトリック・セットに戻ります。

事前に見ていた2年前の来日公演参加者のブログなどでは、「かつてのようなギターソロではない」と書いてあるのもありましたが、ボーカルもギターソロもとても80歳とは思えないほど力強く、特に終盤の「オールドラブ」のギター・ソロなどは吸い込まれるような、涙が出るような魅力的なものでした。

ジャム・セッションのようにメンバーが次々とソロを取っていく演奏もあり、エリック・クラプトンとそのバックバンドではなく、まさにエリック・クラプトンバンドと言える一体感あるステージだったのも印象的。照明はステージを温かく照らし続けるのみで、俺たちの演奏に邪魔な照明効果は不要、音楽を純粋に楽しんでくれ~というメッセージのようでした。

これまでもレコードで聴くのと生で聴くのは別次元と感じたことはありますが、それは舞台演出や照明効果、MCなども含めてのこと。演奏だけでこれほど「生はまったく別次元」と強く感じたライブは初めてです。

伺ったそば屋さんのレベルも高かったし、いろいろと刺激たっぷりの3日間でした。いやほんとに行ってよかった~(^_^)