(続き)こうして派遣社員として食品工場で働き始めました。多くの人が働くその工場の中でも、私が配属された部署はとりわけハードだったようで、働き始めて3週間ぐらいまでは毎日筋肉痛という状態でした。年末に向け派遣社員やアルバイトが次々入って来ていましたが、すぐにやめていく人も多く、これは続くかな、という感じでした。

しかし、4週間目ぐらいになると、疲れは残るものの筋肉痛はなくなりました。この時も人間の適応力はすごいもんだと感心したものです。また、56才という年齢で新しい仕事を覚え、若い人たちについていけるだろうか?という不安もありましたが、ミスはしながらも徐々に要領も得ていき、いろんな仕事を任せてもらえるようになりました。

配属された部署は通常期と年末では仕事量も人員も3~4倍ぐらい違い、当初は年末をすぎての継続雇用は難しいと言われました。しかし、たまたま他の派遣社員の退職もあり1月以降も継続して雇用してもらえ、4月まで半年間働くことができました。

この仕事を通じて収入だけでなく、これからの立ち仕事に必要な体力・筋力のトレーニングもでき、食品工場という性質上、衛生管理についても体で覚えることが多々ありました。なによりも、自分の体力や適応力がまだまだ残っていることを確認でき、たいていのことはやってみたらできる、という思いがまた一段と深くなりました。(続く)