私がそば屋の親父をめざしてプロコースを受講したそば教室、「江戸東京そばの会」が毎年開いている総会に、今回初めて参加してきました。

参加者はざっと見たところ70~80名ほどでしょうか。「久しぶり」などと声を掛けあっている方たちもいましたが、初参加の私にとっては初対面の方ばかり。

と思って会場を見渡すと、お一人、知っているお顔がありました。福島県で20年以上そば屋を営業していたところに、東日本大震災時の原発事故により避難を強いられ、スタッフとして会のお手伝いをされていたYさんです。

もう一度故郷でそば屋をやりたいけれど、ご家族は放射能の影響を心配して反対している、というようなことをお聞きしていました。

どうされているのか?と気がかりでしたが、今年の春 、SNSでYさんが故郷でそば屋を再開されたことを知りました。町の人口は1/4に減り、「果たしてお客さんが来るのか?」という不安を抱えながらの再開ながら、大勢のお客さんが押し寄せているとのこと。ぜひ一度福島のお店に伺いたいと思っていたところ、一足先にお会いすることができました。

たいへんお元気そうで、毎日7玉ものそばを打たれているとか。ご家族の理解と応援も得、息子さんも手伝ってくれているとのことでした。

さて、総会の方は歓談が始まると一気に盛り上がりました。なにせ時期は違っても同じ教室で学んでそば屋をやっている者同士、話は尽きません。

教室の講師の方も参加されており、4年ぶりにそば打ちのアドバイスをいただいたりもしました。

そば屋とそば栽培と野菜の栽培を同時に始めた、というパワフルな方もいらっししゃったり、とにかく元気になる総会でした。ぜひ来年以降も参加したいですね。

総会が終わり、夜は今年の5月に初めて伺った神楽坂の蕎楽亭さんに再びおじゃましました。

前回蕎楽亭さんでおそばをいただいたことをSNSにアップしたところ、なんと徳島ご出身で現在蕎楽亭で修行中のMさんからメッセージをいただきました。<遊山>にもお越しいただいたことがあるとか。

蕎楽亭さんはおそばはもちろん天ぷらも有名で、ご主人が直々に天ぷらを揚げていらっしゃいます。前回は数軒そば屋をはしごするため、おそばだけをいただいたんですが、いつか夜におじゃまして天ぷらもいただきたいと思っていたところでした。

今回の総会参加の機会を利用して、Mさんに席を取っていただいておじゃました次第です。

揚げたてを一品ずつお皿に載せてくださる天ぷらは、海老も魚も野菜も味が凝縮して濃厚でホクホク。これまでの人生で、最もおいしい天ぷらでした(^^)

お酒もつまみも充実していて、この日は会津の地酒とこづゆ(会津の郷土料理)、会津地鶏の塩焼きなどもいただきました。(ご主人が会津のご出身で、玄そばも主に会津産だとか)

うどんもおいしいとの評判なので、シメは「めおともり」「むぎめおと」といううどんとそばの合い盛り、冷や麦とそばの合い盛りをいただきました。そばはもちろん、うどん・冷や麦も風味豊かでした。小麦まで自家製粉&手打ちとはすごいですね。

おしゃれなお店がひしめき合っている神楽坂一帯でしたが、蕎楽亭さんは夜も入店待ちのお客さんが途切れることがありませんでした。てきぱきと調理されているMさんが将来どんなお店を出されるのか、その時はぜひ伺いたいと思ってお店を後にしました。

そばを通じた出会いや縁がまたひとつ広がった、今回の東京行きでした。