ただいまゴールデンウイークの真っ只中ですが、今年は新型コロナウイルスの感染拡大により緊急事態宣言が出され、「ステイホーム」ウイークとなっています。

<遊山>も5月10日(日)まで臨時休業中。県外からのお客さまも多いこの時期、正直一番怖いのは当店がクラスターになってしまうこと。手伝ってくれている娘が妊娠中ということも含めて、悩んだ末に大事を取ってこの期間は休むことにしました。

最初の頃は「暖かくなれば終息するだろう」ぐらいに思っていたけれど、感染は徐々に広がり、2月下旬の徳島県内での感染確認、思いつきのように突然発表された全国一斉休校要請、北海道の「緊急事態宣言」などを機にお客さまは減少。

それでも3月の中旬ぐらいからはお客さまも戻ってきて、お店の入り口にアルコール消毒液を置いたり、客席を減らして空間を空けたり、私たちもマスクを着用したりしながら営業してきました。

3月下旬の3連休から桜の季節にかけては自粛疲れの反動か、昨年を上回るような勢い。でもそうした全国的な緩みの反映もあってか感染者の急増、緊急事態宣言の発令とそれの全国への拡大を機に、週を経る毎にお客さまが減ってきました。

当店のような感染者の少ない県で昼だけ営業しているそば屋はまだましな方ですが、全国的に多くの飲食店経営者が経営と生活の危機に直面しています。当店とて夫婦二人が暮らしていければいいというものの、借入金の返済含めて月々の固定費はばかになりません。

テレビやラジオなどで、欧米で飲食店を経営している日本人の方が政府からの迅速な補償により大きな不安なく営業を自粛しているという話をされているのを聞く度に、補償なき自粛を求められている日本の落差を感じます。

それでも強い世論に押されて、少しずつ日本政府も重い腰を上げ始めてはいます。これからも声を上げ続けていくことは必要ですね。

さてこの状況でいったいどうしたものか、いろいろと考えましたが、当店としては以下のようなスタンスで臨むことにしました。

  • 目標は当初の計画通り10年先(70才)まではそば屋を続けること。
  • 金の切れ目が縁の切れ目なので、追加で借り入れをしてでも食いつなぐ。利用できる制度は積極的に利用する。
  • GWやお盆は別に考えるとして、営業は禁止されない限り継続する。
  • 時間的にはゆったりした営業となるため、その時間を使って普段できない試行錯誤などもしながら、そばのレベルアップをはかる。なにしろ、まだまだいっぱい伸びしろがあります。
  • そして1年後になるのか、2年後になるのか、久しぶりに来店されたお客さまに「なんか前よりおいしなったんちゃうん? おそばってやっぱりええなぁ」と思ってもらう。

この休業中は、そばに関する本もいろいろ読んでいます。けっこう面白い本もありましたので、いずれ紹介したいと思います。

もう1週間もそばを打っていません。営業再開する13日(水)が楽しみです。そして「コロナのおかげでそば屋人生が一段と充実したものになったかな」と思えるよう、これからの時期を乗り越えたいですね。

久しぶりに訪れた一宮城からの眺望