趣味でそば打ちを始めた頃、水回しの加水率の見極めがうまくできず、ずいぶん失敗もしました。そば打ちの加水率はなかなかシビアです。

ただ、そば打ちの加水率はとても幅広い、ともいえそうです。ずる玉になる一歩手前まで加水したそばこそが旨いそばだ、という人がいるかと思えば、ぎりぎりつながる加水率こそ適正加水であり、それ以上の加水はそばをまずくするだけ、という人もいます。最小の加水率と最大の加水率、という言い方をすれば、両者の加水量にはけっこうな幅があり、最終的にそれぞれのそばの食感は違ったものになります。

どちらが旨いかは好みの問題でしょうし、そういう違いが生まれることもそば打ちの奥の深さ、おもしろさですね。まずどんなそばが打ちたいか、という自分がめざすものがあり、それにふさわしい適正加水というものがあるのでしょう。そして、その加水量にふさわしいこね方や延し方、ふさわしい打ち粉の量、ふさわしいゆで方、洗い方などを探っていくこともそば打ちのおもしろさだなと思います。

これまでそば打ちの練習は同じ方法を繰り返してきましたが、最近、すこしいろんなやり方を試していっています。やはり、そば打ちは面白いですね。