私の当初の目標は、2015年の秋に開業することでした。さらに、国の補助金(創業補助金)に申請して採択されており、補助金を受給するためには2015年11月半ばまでに開業届けを出すことが必要でした。
しかし、まんまる住宅さんが行政書士さんに問い合わせてくれたところによると、市街化調整区域に飲食店をつくるための開発許可をとるのは面倒で、農地転用と開発許可に最低半年はかかるということでした。そこから造成・建築工事となると開業は2016年春以降になってしまいます。また、県道・市の水路との境界確定のための土地の測量、開発許可や農地転用などの申請費用はトータル100万円前後になるとのことでした。
とにかく確かめるほかありません。徳島市役所の建築指導課を訪ねると、沿道サービスとして開発許可が下りる条件はある、手続きはスムーズにいけば1ヶ月程度で許可が下りるとのこと。それなら11月半ばまでの開業届け提出はまんざら不可能ではありません。ここまでは順調でした。
続いて農業委員会で農地転用について尋ねました。申請は毎月10日受付で結果がわかるのは翌月末。7月10日は目前で無理なので、8月10日申請、9月末認可とすると年内開業は無理です。さらに農地が農業振興地域の農用地区域の場合はその除外申請が必要で、その受付は年3回(2月、7月、10月)、除外されるのはその4ヶ月後、農林水産課で確認するように、と言われました。
長らく耕作されていない土地でもあり、農用地区域ということはないだろうと願いながら確認に行くと、残念ながら農用地区域でした。すでに7月の受付は間に合わないので、10月に申請して1月末に除外完了、その後2月に農地転用を申請して3月末に認可。そうすると開業は2016年夏、つまり1年先になるということです。呆然としました。
家に帰り妻と相談しました。開業準備から半年経過した今からさらに1年待つことや、さまざまな費用の問題。一方で心動かされる場所の魅力や、条件に合う居抜き物件はなかなか出てこないという現実。考えたあげく、それでも上長谷の土地でやろうといったんは結論を出しました。失業保険が切れた後はアルバイトでもしてつなぐしかありません。
しかし、夜中に目が覚め、「いや待てよ」という気がしてきました。いったん断られた神山の土地をもう一度あたってみるべきではないのか。手打ちそば屋らしい景観という点では優劣付けがたく、開発許可や農地転用も不要で、水道も前まで引かれている。年内開業や補助金受給も不可能ではない。運命の出あいは、実は神山の土地ではなかったのかと。
そして再度、神山の土地の地主さんを訪ねました。(続く)