辛汁(冷たい蕎麦用)の出汁に鯖節や宗田節を試してみても、私としては全く別物でおいしいと感じることができませんでした。やはり鰹枯節のすっきりとした旨みが合うようです。
一方、甘汁(温かい蕎麦用)の出汁は鰹節だけではどうもあっさりとし過ぎて物足りない感じがしました。それぞれの出汁としての感想は、
- 鰹節:すっきりとした上品な旨さ
- 鯖節:コクのあるしっかりとした旨さ
- ムロアジ:甘みのある旨さ。少し香りにクセを感じる
- 宗田節:非常にコクがある旨み。独特の香りを感じる
- ウルメ節:コクのある強い旨み
というようなところです。
甘汁の出汁にはこれらをとっかえひっかえ試し、最終的に私の返しに一番合っておいしいと感じたのは鯖節と宗田節をブレンドしたものです。
気になっていた宗田節の独特の香りもじっくり煮詰めることでいい方向に変わり、つゆには深いコクが出ます。鯖節は脂肪分が多いためにつゆが濁る場合がありましたが、昆布をヌメリ成分の少ない真昆布などに変えたり、グラグラと煮詰めることで濁りが抑えられることが分かりました。
当初作っていた濃口醤油だけを使った本返しには鰹節を加えた方がすっきりとおいしかったのですが、淡口しょうゆを加えた半生返しでは鰹節を加えるとすっきりしすぎて物足りません。相性というのはおもしろいですね。