すでにお気づきの方もいらっしゃるかもしれませんが、前の週末あたりからつゆを少し変えています。

お客さまに「つゆが美味しい」と言っていただくことがあるんですが、つめたいそば用のつゆについて、当初からずっと気になっていたことがありました。

それは、「そばの引き立て役のつゆが、そばより目立とうとしているんでは? (笑) 」ということです。

言い方を変えれば、「並み」のそばを「上」のそばに変える力を持っているけど、「特上」のそばも「上」のそば程度にしてしまうつゆなのかな?という感じです。

で、試行錯誤のうえ見直したのは、返しに使うみりんです。

これまで使っていたみりんは、他のみりんと舐め比べればその旨さが一目瞭然というもの。今度のみりんは舐めたときのインパクトはそれほど強くないのに、つゆにした時に全体の旨みをグッと深めてくれるタイプのようです。

この間の返しの試作でわかったのは、出汁がよく効いて醤油に素直な旨みがあれば、みりんを加えなくてもつゆは十分においしいということ。そこにこれまた素直な旨みのみりんが適量加わると、つゆの旨みはよりまろやかに深まるということ。逆に個性の強いみりんが加わったり、素直な旨みのみりんでも量が多すぎると全体のバランスが崩れてしまうということです。

正直、つゆそのものの旨さは以前に比べて多少落ちても仕方がないと思っていましたが、そんな心配も吹き飛び、とてもおいしく、それでいてそばをしっかり引き立てるつゆができたのでは?と自画自賛しています(^^)

ブログを書いている今もすっかり春めいた感じで、冷たいそばがますます美味しくなる季節です。ぜひ新しいつゆをお試しくださいませ。